債権回収の準備・仮差押え
債権回収に入るきっかけは債務者の支払日における不払いがそうですが、不払いになる原因には以下のふたつがあります。
(1)債務者が経済的に苦しくなって支払いが困難になる。
これは他の債権者も同様に不払いになるため、他の債権者との競争になります。
この場合、原則として早い者勝ちとなりますので迅速な対応が第一となります。
(2)支払い能力には問題はないのに、それ以外の理由で不払いとなっている。
この場合は理由なく支払いを拒否するわけですから債権に対して何らかの争いがあると考えら れます。
従って経済的には問題はないわけですから問題解決さえすれば回収不可能とはならないでしょ う。
債権回収の準備段階ではこのようにふたつの原因を見極めてできるだけ早い時期に債務者の危険な兆候を察知する必要があります。
特に(1)のケースでは可能な限り迅速な対応が必要となります。
債権回収のきっかけを掴んだら調査・確認事項として債権自体、債務者、担保・保証などが挙げられます。
これによって回収方針を決定するわけですが、概ね以下のような内容となります。
*即時一括回収か支払い猶予・分割弁済か
*強行路線かソフト路線か
*どのような回収手段か
*どのような順序で行うか
ここで債権自体の確認とは、
*債権の特定と残高
*裏付け資料
*消滅時効
のことであり、最終的な訴訟になると債権の存在と内容を立証するのは債権者の責任となるため、これら債権の根拠をしっかりと押さえておくことが不可欠となります。
これによって債務者は余計な争いを避けるものです。
*仮差押え
債権回収に入る場合、債務者が財産を隠匿あるいは費消、譲渡、担保提供したりする場合があります。
その結果として、訴訟後、強制執行をしても回収できるものが何もないという場合が往々にしてあるわけです。
そこでこれに対抗する手段として債務者の財産に仮差押えをかけて現状を凍結しておく必要があります。
そうすることによって債務者の財産処分が禁じられ将来の強制執行により回収が可能となるわけです。
仮差押えのメリットは執行保全の効力を非常に早く、簡単な手続きで実現できることですが、デメリットは当初に高額な保証金を積まないといけないことです。
保全処分には仮差押えと仮処分がありますが、金銭債権を保全する場合は仮差押えを使います。
そして不動産お明け渡しや登記手続き、動産の引き渡しなどの金銭債権以外の債権を保全する場合は仮処分を使います。
仮差押えは債務者にインパクトを与え交渉に引き出したり、弁済を促したりする効力があります。
しかし、銀行預金、給料、在庫品などに対する仮差押えは効果が大きい反面、債務者に不動産などの財産がなく、かつ保全の必要性の特に強いケースでないと裁判所は認めないのが現状です。
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